本当は怖い!おたふくかぜの原因と治療法編
毎年流行が見られる子どもの感染症の代表的なもので、正式には「流行性耳下腺炎」といいます。
両側の耳下腺がしっかり腫れると「おたふく」のお面のようになるので、「おたふくかぜ」といわれます。
感染力が非常に強く、時に合併症を伴うこともあるため軽視できない病気の1つです。
では、おたふくかぜとはどのような病気なのでしょうか?
流行時期とかかりやすい年齢
春から夏にかけて保育園や幼稚園などの集団感染で流行しやすいとされていますが、現在では年間を通して感染する可能性があります。
0歳児にかかることは少くないです。
3~6歳の子どもにかかりやすく、特に4歳以下に多く見られます。
「おたふくかぜ」の症状は?
〈初期症状〉
- 悪寒、全身倦怠感、、首の痛み、頭痛
- 微熱(熱は出ない場合がある)
- 食欲不振、酸味のあるものを飲み込む際に痛みを感じる
〈主な症状〉
- 39~40度の高熱(熱は出ないこともある)
- 初期症状に続いて12~24時間後に唾液腺が腫れる
- 耳の付け根から、ほお、あごにかけて腫れる
(片方だけ腫れる場合と両方同時に腫れる場合がある)
潜伏期間は2〜3週間で、発熱が1~2日つづいた後に耳の下に痛みを訴え、片側の耳下腺が腫れてきます。
熱がなく最初から耳下腺が腫れる人もいます。
耳下腺の腫れはやわらかく、耳の下から下あごに沿って境界がはっきりしないかたちで腫れ、口を開けたり触ったりすると痛がります。
たいていは1~3日してもう片方の耳下腺が腫れてきます。
腫れは3日目ぐらいが最もひどく、その後、徐々にひいて5~7日で消えていきます。
しかし、顎下腺が腫れ場合は腫れがなかなか引きません。
熱は3〜4日、耳下腺の腫れがなくなる前に下がります。
最も人にうつりやすい時期は症状が出る直前から耳下腺が腫れてる間です。
症状の軽減とともに感染力は弱くなると言われますが、注意が必要です。
感染しても症状が現れない人がいたり、乳児や年少児では、耳下腺が腫れるだけで他の症状がみられない場合もあります。
「おたふくかぜ」と間違いやすい病気
何度も耳下腺の腫れを繰り返す病気で反復性耳下腺炎があります。
「おたふくかぜ」とは別のウイルスが原因です。
おたふくかぜとは下記のように症状が異なるので気をつけてください。
- 熱は出ない
- 片方だけ腫れる
- 痛みは2~3日で治まる
- 人にはうつらない
- 何度もくり返す
原因と治療法について
ムンプスウイルスにより発症します。
飛沫感染や接触感染が主な感染経路です。
そして感染力はとても強い病気です。
ウイルス性の感染症なので、細菌性の感染症のように抗生物質は効きません。
よって、根本的に治す治療はなく、解熱鎮痛剤など対症療法となります。
おたふくかぜと診断されたら、まずご自宅で安静にするのが唯一の治療法になりそうです。
一度感染すると体内にウイルスに対する抗体ができるため、繰り返し感染することはありません。
<顔の腫れについて>
アイスノンや保冷剤、冷却シートなどを使って冷やしてあげることで、少しは腫れの痛みが緩和できるかもしれません。
ご飯の前などに試してみてください。
<食事について>
症状が落ち着くまではあまり噛まずに食べられるゼリー飲料や、プリン・ヨーグルト・ポタージュスープなど食べさせてあげましょう。
すっぱいものは唾液の分泌を増加させ、痛みが強くなりますから、避けてください。
高熱時は脱水の危険があるため、経口補水薬で水分補給したり、牛乳など飲みやすいもので栄養を補いましょう。
☆おすすめの経口補水液
<お風呂について>
機嫌が悪い時は無理な入浴は避けてシャワーもしくは清拭ですませましょう。
予防法は?
- 手洗い、うがいを徹底する
- タオルの共有はしない
- 予防接種をする
規則正しい生活をして、疲労が溜まらないようにし、免疫力を高めるようにしましょう。
おたふくかぜと診断されたら、発症後5日間は出席停止となり登園、登校が出来ません。
再開については医師の許可がでるまで家庭で安静にしましょう。
1番の問題は「合併症」
おたふくかぜの一番の問題は合併症が多いことです。
合併症の一つに難聴を発症することがあり、この難聴は後遺症として一生残ります。
そのため予防法として予防接種をお勧めします。
次回、おたふくかぜの「合併症と予防接種」について解説します。
保育園や幼稚園でおたふくかぜが流行り始めたという情報をもらったら、お子さんが感染していないかどうかを家庭でよく見守ってあげてください。